山勝工業は、初代・勝太郎が興した菓子製造業である山勝商店(勝太郎の勝を屋号とする)から、二代・窕の樹脂成形参入(菓子容器のブロー成形が原点)を経て、三代・真の現在まで、90年の歴史を奇しくも全員婿養子(四代目にあたるのは一人娘なので、次代の婿養子も既定路線です)が引き継いできた会社ですが、その特長を4つご紹介いたします。
3DCADによる設計・図面作成から金型及び生産冶具製作、50tから550tまで射出成形機が16台、40mmから75mmのブロー成形機が9台、トラック3台を擁し、モノづくりの流れが全て自社内でまかなえる体制です。
社内には無い真空や押出成形、メッキ、塗装、印刷、切削試作にもネットワークを持ち、「こんなのできる?」というお客様の手書きスケッチから製品を立ち上げる事も多々あり、「山勝で打ち合わせすれば後は全ておまかせでOK」とご好評をいただいております。
でもホントは「これどうする?」「こうできない?」と皆で知恵を搾り出している時が一番楽しいのです。
土地柄により自動車関連の製品が70%程度を占めますが、幸い幅広い分野のお客様に恵まれ、それぞれ違った業界のやり方を良いとこ取りで横展開し、管理手法や製品クオリティの向上に効果を上げています。
重要保安部品であるシートベルト部品において、40数種、年間6万点余りの納入に対して不良0件を達成・表彰された事は大きな励みとなりました。
また、名古屋市立大学病院様との共同開発による医療分野への参入も進行中です。
大量生産ではなく、あえて多品種少量対応に注力しています。
午前と午後で造っている製品が違うのも日常茶飯事なので現場の面々は百戦錬磨。
金型部門では特注部品が壊れても手加工で修復してしまうし、成形部門は膨大な製品種別に対応したノウハウが蓄積されています。
持ち込み型の少量生産依頼があっても、細かい工程を組んでいるからこそ対応が可能な場合が多いという側面もあります。
何だかんだ言っても地場の町工場です。従業員もご近所さんが大多数。だから多種多様な職歴を持った人材が集い、それぞれ個性的な特技を現場で活かしています。
元魚屋さんはナイフ仕上げに一家言を持ち、海外赴任経験者は英語で派遣外国人に指示を飛ばし、土木出身者は猛暑の中でも長袖を着て安全第一。70代後半の管理者も現場ラインでバリバリやっています。
かく言う社長も元々はTVディレクターという転職組ですが、TV番組もモノづくりの基本は同じ。手がけたものに愛情を注ぎ込んで皆様の元へ送り出しています。
- 2017.05.18
- 取材して頂きました。
- 2017.02.10
- ホームページをオープンしました。